わたしが小学校低学年の頃
家を建て替える約半年間くらいの間
団地に仮住まいしていたことがありました。
その団地は階段の
両脇にドアが向かい合わせになっていました。
そのお向かいの家には
わたしと同じ年の女の子がいました。
それっきりお付き合いはなかったというのに
名前もフルネームで憶えています。
仮に「みずたりょうこちゃん」としておきましょう。
みずたりょうこちゃんはお兄ちゃんのいる
少しおませな若干気の強いタイプの女の子でした。
ある日みずたりょうこちゃんが遊びに来て
「お姫さまごっこをしよう」ということになりました。
みずたりょうこちゃんが最初にお姫さまになって
わたしに召使いの役をやるように言いました。
わたしはみずたりょうこちゃんに
タオルケットを巻き付けて
ロングドレス風にしてあげました。
「まあ、よくお似合いです、お姫さま」
って言うのよ。
とみずたりょうこちゃんは言いました。
わたしは割と人の言いなりになるタイプでしたので(笑)
言われた通りにしました。
しばらくして
「わたしもお姫さまの役をやらせて?」
とわたしが言うと
みずたりょうこちゃんは
「それならわたし帰る!」
というので
まだ遊んでいたかったわたしは
ずっと召使の役をし続けました。
夕方になってみずたりょうこちゃんが帰ると
わたしは母のところへ行って
「タオルケットを巻いてお姫さまにして」
と言いました。
母はなぜかツンケンして
なんとなく乱暴に
わたしにタオルケットを巻き付けました。
わたしはなぜ母が怒っているのかがわからなくて
せっかくお姫さまにしてもらったのに
全然楽しくなくて悲しくなりました。
今思い出しても
その時の悲しい気持ちが蘇るのです。
今ならわかります。
一緒に遊びたいからという理由で
言いなりになったり
自分の誇りを捨ててしまったわたしの様子を
母は陰で見て
イライラしていたのでしょう。
母はプライドのない行為を
とても嫌う人でしたから。
嫌なことは嫌だと
ちゃんと言わなくてはいけない時があります。
それがわたしは苦手で
それがちゃんとできるようになるまでに
それから何年もかかるのでした。
そんな母の影響で
自分に恥じない生き方をしなくては
といつしか自然に思うようになりました。
自尊感情が備わっていれば
自分を酷い目に合わせるようなことは
起きなくなってゆきます。
そうすると自然に
自分を大切に扱ってくれない人は
自分の人生というステージに存在しなくなってゆくのです。
ですからもし
人生でそんな目に合うことがあるとしたら
召使いの役をやり続けてしまった
幼い日のわたしのようになってはいないか
振り返ってみてください。
そんな目に合うことを
自分に許してしまってはいないだろうかと。
あなたがそれを許さなければ
そういう出来事は
人生から消え去ります。
※追記
では、あの時どうすればよかったのかを
プレイバック実況中継でお伝えします。
わたし
「わたしもお姫さまの役やらせて」
みずたりょうこちゃん
「ダメ。それならわたし帰るから。」
わたし
「でもわたし、もう召使いの役はやらない。
みずたりょうこちゃん、さようなら。」
そうして母のところに行って
優しくお姫さまにしてもらえばよかったんです。
今では名前しか憶えていないくらい
一時的な関係でしかなかったのです。
あなたを大切に扱わない人からは
離れてしまいましょう。
そうしたなら
あなたの周りには
あなたに誠実で
あなたを大切にしてくれる人しか
いなくなります。
#セルフイメージ
#自尊感情
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